來源:mjfcmoonwalk.com
マイケルが ('98年)12月11日~12日、バハマでのカジノ付ホテル 『アトランティス・リゾート』 のオープニング公演に出演
僕(マゼ)が最初にこのことを知ったのは、ギーからの知らせだった。
ギーから 「思い切って行ってみようよ!」と言われたが、僕はもしかしたらマイケルはそこへ現われないかもしれないし、行ったとしても会えるとは限らない…と、消極的だった。
飛行機のチケットの手配をしながらも まだ決断がつかなかったのだが、それでもチケットを手に入れ、12月10日の夕方にバハマの首都ナッソーの空港に到着した。
REPORT : フレッド・マゼ氏 & ギー・フィアット氏
■12月11日(金)■ | |
180フランで、世界に類のない だだっ広い部屋で有名なユースホステルで一晩を過ごした後、僕たちは 『アトランティス・リゾート』のあるパラダイス島に向かった。 そこまでは徒歩で約1時間かかる。 まずナッソーからニュー・プロヴィデンス島へ行く。 この島と橋ひとつで繋がっているのがパラダイス島だ。 近づくにつれ、アトランティスのロイヤル・タワーが見えてきた。 トルコブルーの海と白い砂と木蓮の木々を背景に建つ、巨大なホテルだ。 警察官が1人、入口に配置されていて、特別な通行許可証を持たない人間の出入を規制している。 11日・12日の夜に、プライベート・パーティがある予定だと警察官は言ったが、マイケル・ジャクソンがそのパーティに来るかどうかは知らないと言う。 「来ることにはなっているんですね?!」 という質問に対しては、 「もちろん!」 と彼は答える。 この答えが僕たちには肝心なのだ。 僕たちはパーティまで待つことにし、ホテル内の巨大な水族館などを見ながらぶらぶら回っていると、突然広いホールに出た。 そこにはミュージシャンやコーラスの人たちが大勢いて、指揮者のリードで ある曲の練習をやっていた。 僕たちはパーティ会場になる予定の部屋に偶然入り込んでしまったのだ。 「指揮しているのはクインシー・ジョーンズじゃないか!」 と ギーが言った。 そう! 僕たちのほんの数メートルの所にクインシー・ジョーンズがいたのだ。 「こんにちは。 僕はマイケル・ジャクソンのファンなんです」 と言った。 クインシーは僕の肩に手をやり、 「どうも!」 と言った。 奇妙な瞬間だった。 ギーはその場面を写真に撮ると、クインシーの仕事を邪魔しないように僕を部屋から引っ張り出した。 別の部屋では、翌日の練習をやっていた。 それから元の部屋に戻ると、もう練習はしていなかったので その場になんとなく居ると、ギーが 「ほら! ウェインだ」 と言った。 ウェインっていうのはマイケルのボディガードをしている人たちのチーフだ。 これでマイケルが来ることは確実だと判ったので、僕たちはその場を動かないで待っていることにした。 やがてパーティが始まる。 ところが僕たちは、そんな所に着てくるような服装ではなかった。 夜9時になって、人が大勢集まってきたので、とにかくなるべく目立たないように隅でじっとしていた。 クインシーとオーケストラの演奏が始まり、客たちは豪華な食事を食べ始めた。 催しも終わりに近づいた頃、 "A Brand New Day" の最初の節が聴こえた。 と同時に、マイケルが姿を現わした。 ドン・バーデン氏,ジェリー・インゼリッロ氏,他15人くらいのボディガードに囲まれ、ガールフレンドの1人である プリュデンス・ソロモンに片腕を貸して、僕たちの方へ近づいてくる。 僕には、マイケルが "A Brand New Day"をハミングしているのが判った。 マイケルは、ステージの方に近づくと 一瞬ステージを見た。 しかし、マイケル登場で皆がひと目 KING OF POPを見ようと押し合いへし合いになってしまったため、僕とギーは離れ離れになってしまった。 そんな状況になってしまったので、マイケルは会場を去ることになった。 出口へと向かうマイケルがそばを通った時、僕は 「マイケル! マイケル!」 と呼んだ。 それが耳に入ったマイケルはこちらを振り向き、僕を見て とても驚いた様子だったが、すぐに微笑んだ。 これまでに僕は何度かマイケルと会ったことがあり、彼にとって僕は知らない顔ではなかったのだ。 でも、すぐ彼とボディガードは廊下へと姿を消してしまった。 残念…。 ところが! なんとウェインが、僕に “ついておいで” と合図しているじゃないか! ウェインがマイケルに、 「ほら! こんな人物がいましたよ!」 と言うと、マイケルは僕を見て 「Oh~!」 と叫び、僕の手を握って 「僕のためにダンスしてくれる?」 と言ってくれた。 僕は 「イエス! もちろん!」。 そしてボディガード達がズラッと並ぶ中で踊ってみせると、マイケルはニコニコと手を叩きながら観てくれて、ダンスが終わると拍手してくれた。 マイケルが 「どうして僕がここに出演するって判ったの?」 と訊くので、僕は 「(記事を)読んだんだよ!」 と答えたりし、そのまま話しながら歩き始めた。 やがてウェインが、 「マイケルがこれから行く所は、プライベートな所なんだよ」 と僕に注意したので僕はマイケルと別れ、ギーを捜した。 ■12月12日(土)■ | |
マイケルがホテルにいると知っているので、2日目も出るだろうと思ったが、『アトランティス・リゾート』内に入ることは困難だということも判っていた。 ギーと僕は早めに会場に行くことにした。 前日と同じように水族館を通っていくと、厳重な警戒にも引っかからずに会場に辿り着き、午後はずっとリハーサルを観ながら過ごした。 夜になり、貴賓室の入口にいると、ありとあらゆるスター達が出入りするのを見れた。 前夜より多い。 ジュリア・ロバーツ,パフ・ダディ,スティービー・ワンダー,グレッグ・フィリンゲインズ,デンゼル・ワシントン,ドナルド・トランプ,グレース・ジョーンズ,シドニー・ポワチエ,オプラ・ウィンフリー、あとは省略。 そして突然、金髪の若者が若い女性を伴って廊下に現れる。 「レオナルド・ディカプリオだろ?!」 と ギーが言ったが、どうかなぁ~?!と思ってその人に近づき、 「レオナルド・ディカプリオさんですか?」 と尋ねると、 「違います」 と言って そのまま歩いて行ってしまった。 その後、パーティの間 その人をたびたび見かけたが、すれ違うたびに彼は笑い出していた。 実は彼は、本当にレオナルド・ディカプリオだったのだ。 夜11時になると、スター達は次々にステージに上がり 歌った。 (テヴィン・キャンベル,ナタリー・コール,ジェームズ・イングラム,ステファニー・ミルズ) そして、ついにマイケルが現れ、まっすぐステージに向かい、10分間くらいそのコンサートを聴いていた。 すると突然音楽が中断され、司会者が KING OF POPに、ステージへ上がって "Heal The World" を歌ってくれるよう頼んだ。 マイケルは、これには驚いた様子だった。 マイケルはその状況を把握出来ていなかったようだが、ともかくステージに上がって歌い始めた。 ライブである !! だが、数秒ほど歌うと戸惑った様子を見せて、コーラスの1人にマイクを渡して “続きを歌ってくれ” という様子だった。 その子が歌おうとしなかったので、マイケルは続きを1人で歌った。 その後、マイケルは皆と一緒にスティービー・ワンダーが "Over Happy Day" を歌うのを聴いていた。 だが、報道陣が絶えず写真を撮りまくることに気分を害して、しゃがみ込んで姿を消そうとしていたのだが、それがうまく行かなかったので、とうとう部屋を出ていくことにした。 パーティはその後、巨大な花火を打ち上げたりして夜遅くまで続いたのだった。 ■12月13日(日)■ | |
朝10時、ほとんど寝ていなかったが 『アトランティス・リゾート』 に行ってみることにした。 もう殆んどボディガードもいない廊下をぶらぶらしていると、マイケルがボディガードを連れて歩いてくるじゃないか! 信じられない!! ウェインが “こっちへおいで” と合図しながら ギーを見て、 「友達も一緒かい?」 「お別れに来てくれましたよ」 と告げ、僕たちはマイケルが車に乗り込むまでの少しの間、マイケルと並んで歩いた。 「ゆうべの "Heal The World"、とっても良かったよ!」 と言うと、マイケルは 「ありがとう。 ゆうべは最後までいたの?」 と訊く。 ウェインが 「勿論いましたよ」 と、僕らに代わって答えた。 そうこうしていると、リムジンが待っている所に着いた。 マイケルが、 「またパリで会おうね」 と言いながら車に乗り込み、僕はその場でもう一度マイケルのためにダンスをした。 マイケルは車の窓を開けてくれて僕たちに手を振って、別れを告げた。 そしてリムジンは走り出し、遠ざかっていった。 僕たちは、この一度っきりの冒険を決して忘れることはないだろう。
・・・ END ・・・
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