Michael in 台北
來源:mjfcmoonwalk.com
■9月3日■ 麥可、来台 !! | |||||
今日は、いよいよ世紀の大スーパースター 『麥可 傑克森 (マイケル・ジャクソン)』 が初めて台北にやってくる日! 既に、この日を迎える前から台北の街はマイケル一色! 新聞・雑誌はもちろん、TVのニュースも 「事件」 の報道を兼ねて連日過熱状態。 そんな “マイコー熱” の中、前日から台北に到着していた私たちは、ホテルに到着するマイケルをお出迎えしようと、宿泊先の 『リージェント・ホテル』 へ いそいそと向かったのでした。 私たちがホテルに着いた頃(AM11時)には、既にロビーは見慣れたセキュリティーやスタッフ,各国の報道陣でごった返し! それまで実感の無かった 「マイケル」 の四文字が、急に現実味を帯びてきて心拍数が一気に跳ね上がるっ! 胸がどきどきしてギュッと締めつけられて、忘れかけていたキンチョー感がジワジワと蘇ってくる! ガードマンetc.の話で、マイケル到着はPM5時ごろだと判り、それまでの間 私たちはバンの到着場所を探してひたすら右往左往。 最初ホテル側では、バンを正面玄関に乗りつけてマイケルはロビーを通って部屋へ行く、というパターンを想定していたようなのですが、イヤイヤ、マイケルはそんなに甘くないっ?! やっぱり直前になって、ホテルの横にある 「業務用運搬口」 から入っていく事になったのでした。 一方そのころマイケルは、台北の空港 『中正機場』 に到着 ホテル到着時刻が迫まってくると、地元ファンはもちろん、各国の報道陣・近所の野次馬・そしてガードマンで業務用出入口はごった返し! 建物の入口には柵がいくつも立てられ、ファン達・カメラマンetc.は全て柵の外で待機。 私たちも必死で柵にしがみついてベストポジションをkeep。 入口の向こうは、バンが2~3台停まるともう満杯のせま~い駐車スペースになっていて、奥に業務用エレベータが見えている。 どう考えても、ここでマイケルはバンから降りて、エレベータまで歩いちゃうんだぁっ。ひゃ~~; イヤが上でもキンチョーとコーフンは高まっていく! いつの間にか地元カメラマンが従業員に紛れて柵の中に潜り込んでいる。 CNNのカメラマンがそれを見つけて怒り狂う! 「ズルイぞ! テメーらっ!!」 ペプシの垂れ幕を持った台湾ギャル達が柵内に乱入っ! 「ズルイッ!」 「ひっこめ垂れ幕っっ!!」 既に、柵の外はともかく 中までもが異様なキンパク状態; こんなトコに、ホントにマイケル来ちゃうのっ?!; 日本ではまず有り得ない光景に半ばアゼンとしながら、必死に自分のスペースを確保するっ。 一斉に鳴り響くシャッター音! 悲鳴! 手を振る人の波っ!! 「麥可!! 麥可!!」 1台きりで走って来たバンは、ゆっくりと柵の間を通り、待ち構える従業員の輪のド真ん中に到着。 ガードなんて既に無いも同然! 柵を越えてファン・カメラマンも一気になだれ込むっ!! 人の波がバンめがけて大移動っ; 私たちも人の波にもみくちゃになりながら流されて、気づいてみれば目の前にマイケルのバンっ; ガードマンの笛がけたたましく鳴り響き、フラッシュが炸裂し、あたりは大パニック!! 助手席からウェインが降りてきて、明らかにこの警備状態に対して怒っている。 バンの扉を細く開けて、中のビルと何やら話している。 “こんな状態だし、マイケルを降ろせないんだ” って思っていると、次の瞬間、バンの扉がガラッと全開になった! えええっっ?!; てことは、次はやっぱり…?! ビルが降りて扉の中を覗き込む。ウェインもその後ろでスタンバイ! そしてバンの中には… 今にも降り立とうとしているマイケルの姿っ!! 右手で帽子のつばを持って、サングラスに紫のシャツ・黄色の靴下という いつものカッコで、“ヨーイ・ドン!” のポーズで待機しているっ。 その表情は… 表情は、今にも吹き出さんばかりの笑顔っっ! この状況に怒るわけでも不安そうにしているわけでもない、ただただ満面の笑顔! この状況を楽しんでいる風にすら見えてしまう。 ウェインのGoサインで ピョン!と外に飛び出したマイケル。 一斉に鳴り響くシャッター音・フラッシュの中、エレベータまでの距離をビル,ウェインと一緒に3人4脚で走る走るっ!; 途中、勇ましく(?)前を走るビルがヨロけちゃって、一緒に走るマイケルも思わず腰くだけ状態; マイケルは始終ニヤニヤしっぱなし! あっという間にエレベータの中へ消えていくマイケルを見送って、私たちはあまりのウレシさと感激で抱き合って大喜びしたのでした。 マイケル元気そうだったよね ?! 笑ってたよねっ?! バンコク・シンガポールでの “体調不良” のニュースが何より心配で心に引っかかっていたので、あの楽しそうな “笑顔” を見た瞬間、ただただ安堵の涙がダ――ッと滝のように流れ 大泣きしてしまったのでした。 そして、到着騒ぎのすぐ後は、ホテルの窓からさっそくの “お手振り”v もっちろん私たちは、垂れ幕を広げて歓迎のマイケル・コール! 19・20階の吹き抜けのスイートの窓から、全身を乗り出して手を振るマイケル、下を指さしたり帽子をちょっと上にあげてみたりで、思いっきり元気そう! あまりの嬉しさに私たちは飛び跳ねてワーキャー大喜びしていたら、その様子が夕方のニュースで報道されてしまい、夜には垂れ幕を手にした地元ファンが大勢ホテルの下に集まったのでした。 遅くまで、みんなマイケルの窓の下で、歌えや踊れやの大騒ぎ! その様子を覗いてマイケルも何度も窓から出てお手振り。 台湾での熱狂的な歓迎を一身に受けて、明日はいよいよ台北・初のコンサート!
■9月4日■ 台北初日演唱會 | |||||
一夜明けて、いよいよ今日は台北での初日! 昨日の到着騒ぎに輪をかけて、今日は朝からTVも新聞も麥可だらけ! 「会場周辺は交通規制を行なうので、早めに会場へ行くように」 と繰り返しニュースで流れている。 街中が浮き足立って、“その瞬間”を今か今かと待ち侘びている! 私たちにとっても、昨年のカウントダウンから丸々9ケ月ぶりのステージとあって、朝から期待とコーフンが入り乱れるハイな状態; 一旦リージェント・ホテルに向かい、白いリムジンに乗って会場へ向かうマイコーを見送った後、私たちもドキドキしながらタクシーで会場へ向かったのでした。 台北でのコンサート会場となったのは、約4万人収容の 『台北市立体育場』。 たて長のスタジアム形式で、スタンドは全て座席指定アリ、逆にアリーナは指定ナシのオール・フリー! 私たちは、今日は “貴賓席”(ステージから見てナナメ右のスタンド席)だったので、落ち着いてじっくりコンサートを観ようと決意。 会場周辺は、ペプシの幟(のぼり)が並木道のようにあたりを連ね、壁という壁にはマイケルのポスターが隙間なく貼られている。 (But、5cm幅のテープでベッタリくっつけてあって剥がせなかった;) 正面には巨大な “DANGEROUS”の看板、空にはペプシの缶型バルーンと、とにかく会場全体が麥可一色! 集まるタイワニーズも結構みんなお祭り気分で、マイコー・ルックしてくる人が意外に多い。 男女問わず、マイケルハットや黒ジャケット・マイケルTシャツのファン達が目立っている。 アリーナでの混乱を予測して、救急部隊もしっかりスタンバイ! 盾を持った機動隊や消防車まで待機しちゃって、何だかモノモノしい雰囲気。 私たちの座った “貴賓席”は、すごそうなネーミングの割には、打ちっぱなしコンクリートの階段に そのままチョークで座席番号が書いてあるようなオソマツな造り。 ただし、ステージはめちゃくちゃ近いっっ。 会場自体、ヨコ幅がとっても狭いため、私たちのいる位置はステージ全体が見下ろせて尚かつ近い Goodポジション! しかし、それに輪をかけてすごいのは、なんてったってアリーナ !! 東京ドームで言うところの 『A6~A13』位までしか観客がいないの; ほとんど皆 「ステージの正面」ってカンジで、台北のアリーナって恐ろしいほどオイシ過ぎるっ! (その分、たての奥行きが異様に長いため、後ろの観客にとってみれば恐ろしく見えづらいに違いないけど;) 屋外の開放感はとにかく格別で、夜風がとっても気持ちいい。 マイケルの体調を考えると 「もっと涼しくなれ~」って思わず願ってしまう。 開演直前には、スタンドを一周する “WAVE”が沸き起こる! これがなかなか上手くいかなくって、あっちでもこっちでも 「ウォ~~!!」ってやり始めちゃって テンデンバラバラ; But、何度か続けるうち皆コツが掴めて大成功! アリーナからは拍手が起こり、会場の熱気も最高潮っ!! そして、いよいよ会場が暗くなり‥‥ OPENING! 地響きが起こったような、唸るような音響に、みんな絶叫! もう何度聴いたって鳥肌が立って涙が出てきてしまう。 自分を、台湾だろうと福岡だろうと掻き立ててどこまでも走らせてしまうもの。それが何なのかを、今この瞬間、改めて実感っ。 マイケルと一緒に、何物にも換えがたい時を共有して分け合う、その幸福感がうわ――っと胸に涌き上がってくる! このために、今自分はここにいるんだ‥‥!! そしてステージにはマイケルが登場! ステージ自体の詳しい内容は福岡公演とほぼ一緒なので省略しますが、夜風にマイケルの髪がなびいて とにかくキレイだった事、観客のノリがとにかく良くってしょっちゅう合唱が起こっていた事、そしてマイケルが元気いっぱいでよく笑ってくれた事が印象に残ったのでした。 (そうそう、"Dangerous"にはみんな発狂してました) それにしても、私にとってはスタンド席でおとなしく座ってコンサートを観たのが、何よりも印象深い(?)初めての経験でした。 コンサートが始まってみるまで知らなかったんだけど、台北では 「スタンド席は座って観る所・アリーナは踊って観る所」 とキッパリ区別されているらしいんですね; こういう状況に慣れない私たちは、座ってても身体がムズムズしちゃって、"Billie Jean" や "Dangerous" に差しかかるとブッちぎれてペンライトを振り回し 立ち上がって踊りまくる、の繰り返しでした。 (あとで後ろのタイワニーズに “ペンライトを売ってくれ”とせがまれてしまった) 夜9時ごろにはコンサートも終わり、ホテルへ戻ると、TVのニュースは今日のコンサート一色! 特に、翌朝のニュースでは "JAM" をほとんど1曲まるまるOn-Airしちゃう出血大サービス! 新聞各社も競って1面に麥可を取り上げ、フルカラー数ページの総力大特集! 「事件にからめて」 というよりも、純粋に 「マイコー初来台!」 の大歓迎・熱狂が、これでもか!って位に伝わってきて、ファンとしても見てて気持ちのよい報道合戦が繰り広げられていたのでした。 TV特番のひとつにはマイケル自身が登場して、台湾のファンに向けたメッセージを話してくれるというスペシャル大企画まで実現させちゃったモノもありました。 スゴイっ; ■9月5日■ Let's お買いもの! | |||||
今日は、台北での貴重なオフDAY。 この日マイケルは、リージェント・ホテルのすぐそばにあるオモチャ屋 『トイザらス』 にお出かけ。 リズ・甥っ子たちと共に、黒塗りのボルボに乗ってマイケルが出かけている頃、私たちを含めた熱狂的ファン・報道陣の一部は、怪情報(?)を元にそこから1時間離れた 『故宮博物院』 へと走ってしまい、思いっきりボツ。 そんなわけで、『トイザらス』 での様子は、新聞&ニュースから抜粋してお届けします。 “よくある話”とお思いでしょーが、あげたモノが普通じゃないっ! 彼女が手渡したのは、なんと生きたナマの犬っっ!!(ひぇ~~;) 茶色の仔犬を車に突っ込んで、彼女は去っていったのです 未だかつて、マイケルにナマの犬をプレゼントしたファンなんて居たでしょうかっっ?! (しかも、すんなり受け取っちゃう方もすごいっ;) 『トイザらス』 に到着したマイケル、しっかりナマ犬を抱いて 嬉しそうに店内へ消えていったのでした それから約1時間半、『トイザらス』 はマイケルの為にシャッターを閉めきって貸し切り状態。 そんな中マイケルは、自分でカートを押しながら店内をのんびりお買い物。 水鉄砲やバービー人形,キャンディ,子供服etc...。 カートにして約12台分・日本円で約47万円のショッピングを楽しんだのでした。 いよいよお買い物も終盤に差しかかった頃、マイケルの身に再び大事件が起こったっ?!; さっきのナマ犬をとっても気に入っちゃったマイケル、お店の人に 「この犬にエサを用意してあげて」 と頼んだのですが、この仔犬、偉大なるスーパースターによっぽどキンチョーしたのか(?)、突然!オシッコをし始めちゃったのです!; 慌てたのはお店の従業員。 マイケルに失礼があっちゃならねぇ!と、大急ぎでその辺の新聞をかき集め、素早く拭こうとしたら… バ――ン!その新聞には当の本人 “麥可”がデカデカと載っているっっ; 「マズイっ!; この新聞で拭くなんで出来なひっっ…;;」 とアセりまくる店員を尻目にナマ犬くん、トドメ!とばかりに新聞の上にウ○コしちゃったのでした。 もう店員は、アセるのを通り越して蒼ザメ状態; おそるおそるマイケルを見ると‥‥ マイケルは、ニコニコしながら状況を見守っている。 こんなことぐらいで怒ったりしない優しいマイケルに、店員もホッ。 思いがけない事件もこれにて一件落着(?)で、その後マイケルはナマ犬を元の女のコに返して、一緒に 「Thank you for dog」 とお礼のサインをプレゼントしてあげたのでした。 (日本でもナマ犬プレゼントとか流行ったらおかしいよねっ) 何ともホノボノしたショッピングの後は、日本でも報道された 『現地カメラマンとボディガードの衝突事件』。 お買い物を終えたマイケルが店外に出ると、既にウワサを聞きつけたファンや野次馬・報道陣で あたりはごった返し! こんな中、現地TV局のカメラマンが、もっとマイケルを撮りたい一心でボディガードに食ってかかり、車に向かってレンガを投げるわ殴りかかるわの大騒ぎ! 結局それに応戦したボディガードと “乱闘”騒ぎになってしまい (カメラマンは頭から流血っ)、「マイケル側のボディガードがカメラマンを殴る!」 と報道されてしまったのでした。 台湾では初めてマイケル・ジャクソンを迎えたことで報道に熱が入り、その割にはマイケル側の規制が厳しくって思うように取材できなかったりでイライラしていたのかもしれないけど、それにしたってレンガ投げるなんて行き過ぎだよねっ。 ちなみに、この日 大ボツの私たちは、夕方マイコーのいる19階へお邪魔して、コマンダー・ジャクソンの写真を1枚だけ photo book から抜き取って、警備のおじちゃんに預けてきたのでした。 裏にゲームの感想を記して。 この日の夜、TVではマイコーの特番が On-Airされていました。
■9月6日■ Last Night in 台北 | |||||
今日は、台北での2日目にしてラスト・コンサート! 私たちは、今日こそはアリーナで踊り狂うぞっ!と心に決めて、チケットを握りしめて会場へ向かう。 私たちが手にしているのは、ステージ前の 『紅ゾーンチケット』 (東京ドームで言うとアリーナのA・Bブロックを足した位のゾーン)。 座席指定が一切していない,イコール頑張れば(&運が良ければ) ステージ最前列まで行けちゃうチケットなわけです。 そんなわけで、早朝の5時半から早々とゲートへ並びに行った私たち。 開演は、夜の9時半。 炎天下の中、まるまる14時間、そこで待ち続けることになったのでした。 私たちが並びに行った時点ではまだ人数も少なく、わりと列の前に入ることが出来たものの、待っている時間がとにかく長いっ; 日本とは比べものにならない陽射しの強さと湿気・コンクリートの照り返しで、昼前にはもうヘロヘロ; 日焼けを通り越して日光疹は出るし、喉はカラカラ、寝不足で身体はダルイし、頭はすでにボ――ッとしている。 果たしてコンサートまで耐えられるのか、だんだん不安になってくる; 「早くゲート開けろっ!!」 「何やってんだぁ?!」 の怒鳴り合い! 係の兄チャン姉チャンも困り顔; PM5時すぎ、いよいよゲートが開くと、みんな殺気立った形相でステージに向かってダッシュ! 私たちも、ヘロヘロの身体にムチ打って走るっ; 広~いアリーナを走り続け、辿り着いた所はステージ中央の3列目。 なんとか自分のポジションを確保すると、ようやくひと息ついて、その場にヘタり込む。 まだ開演まで時間があるうちは、皆わりと和やかで、周りの人とおしゃべりしたり、ステージの上を覗き込んだり。 空がだんだん夕やけに変わって暗くなってくると、ようやく涼しい風が吹き始める。 私もちょっぴり余裕が出てきて、フッと後ろを見ると、こんな時に弁当ひろげて食ってるおとーちゃんと息子がいるっ; なんでっ?! その余裕はなんなんだっ?; 周りでは、スキを突いて横入りしようとするギャル・兄ちゃんをみんなで追い出す光景がいくつも見える。 「Go out! Go out!」 出て行くまでひたすら叫び続けるその迫力には、皆スゴスゴ退散。 そんなアリーナ前方の “ファイティング”をよそに、スタンドでは再びウェーブが始まっている。 下から見上げると、会場全体のウェーブは圧巻の一言! ウォ~~~!!! 一気に立ち上がって前に押し寄せる観衆っ! 私たちは右から左から後ろからギューギューに押されて、すでに圧死寸前っ; ぐぇっ。 ド―――ン!!! "カルミナ・ブラーナ" に、観客は絶叫! 狂ったように泣き喚く! 両手を振り上げる! みんな周りを押しのけて 「前へ前へ」 と押し寄せるせいで、少しでも気を緩めると どんどん横に後ろに流されそうになる! 息も出来ない状況で、私はひたすら前の兄ちゃんのTシャツにしがみつく!; 後ろから、すでに耐えられず頭上をローリングされて引き抜かれている人がいる。 最前列から引き抜かれていくのは… ああっ!お前はさっきの弁当少年じゃあないかっ; バ―――ンッ!!! 大爆音とともに、マイケル登場!!! キャ――! お――っ!! ウォ~~!! ものっすごい歓声の中、マイコーが目の前にいるっっ!! こっからステージまでは何だかとっても近くって、マイコーの美しい姿は死ぬほどリアル!; 人のヒジに殴られても蹴られても窒息寸前でも、この場所にいて良かったっ; 弾けるように、マイケルが踊りだす! 髪をなびかせて歌う! それに合わせて、どこにそんな体力が残っていたのか、タイワニーズは両手を振り上げて跳ねる! さらに、依然として後ろからズンズン押してくるっ; こんなに前にいるハズなのに、あまりにも前の観客に押しつけられてマイコーの姿が見えないっ!! うっそ~~; このままじゃあ次は我が身(??); 押し寄せる人の波から自分の身を守るのが精一杯で、ステージを観る余裕がないっ!!; "Smooth Criminal" あたりで体力の限界を超えた私は、あとの事はほとんど記憶に残っていないという情けなさ; あとは気力だけを振り絞って、必死で前の兄ちゃんにしがみつく。 しかも、こんな時に限ってマイケルはタオルをバンバン投げる!; そのタオルを巡って、さらに激しいファイティング! 10本近くのタオルが殺気立った観客の頭上に降ってくる。 あちこちから 「ギブミータオル~~!!」 の叫び声! あとはもう、気が遠くなっては正気に戻るの繰り返し; ラスト、マイケルがステージの奥に消えたのを確認した瞬間、最後の力を振り絞って 死にもの狂いでその場からの脱出を図ったのでした。 14時間並び続けた甲斐もなく、何が何だかよく判らないうちに終わってしまったコンサート; 聞くところによると、私たちのいたステージ中央以外は、かなり前でもそれほど激しいファイティングも無くて、けっこう落ち着いて観れたんだそう… グワ~~; よりによって、最悪のポジションで台北のラスト・コンサートを体験してしまったのでした; 干ぼし状態の身体を引きずってペプシ売り場に辿り着くと、皆ナマぬるい紙コップのペプシをイッキ飲み! 洋服が絞れるぐらい汗びっしょりで、改めて今日のコンサートのハードさを実感したのでした。 会場周辺には、今日の夜に配られた新聞の “号外”がわんさか落ちている。 皆ヘーキで踏み散らかしているその号外は、4日のコンサート・ショットのフルカラーで、まるでポスターみたいに立派な紙質っ! あまりの恐れ多さに、私たちは足跡のついた号外を1枚1枚拾い、大事に大事にホテルへ持ち帰ったのでした。 台北最後の夜は、私たちもマイケルと同じリージェント・ホテルに宿泊。 コンサート会場からまっすぐホテルに戻ってくると、ホテルの前は既にファンでごった返し! 報道陣のでっかいサーチライトが青白くマイケルの窓を照らしている。 集まったファンは、これまでで最高の人数! いったい何百人いるのか判らないほど、どこを向いても人、人、人の波! みんな、手に手に垂れ幕を持って、マイケル・コールの大合唱! しかもその半分は、熱狂的な男性ファン! まるで野球の応援団長みたいなノリで仕切っている男のコがいる。 「いいか? いくぞ! 1、2、3! マイコ――!!!」 メガホン持ったり 笛吹いたりで、みんな繰り返し繰り返し大合唱。 それに応えて、窓からはマイケルがお出まし! その時は表情までよく見えなかったけれど、何度も何度も身を乗り出して、あちこちの窓から手を振ってくれる! ホテルの窓からパジャマ姿でお出ましっ v ファン達の、ありったけの声援に込めたマイケルへの愛情。 それに全身で応えるマイケル。 “ああ、どこの国でも同じなんだな…。” いかにマイケルが世界中のファンに愛され、求められている存在なのかを改めて実感して、胸が熱くなる。 お次は、"おーたーまじゃーくしーはカーエルーの子~♪" のメロディで、 「マーイコ マーイコ マイコマーイコ~♪」 って大々合唱してるっ! 皆の熱い想いに対し、マイケルも窓から引っ込もうとせず、あちこちの窓から手を振ったり投げキッスしてくれる。 ホテル側のガードマン・従業員も、心得たように何も言わない。 マイケルとファンの、遠くて近い “会話”を、ジッと見守ってくれている。 まるでコンサート会場の熱気がそのままここに持ち越されたような、そんな台北での最後の夜は、ゆっくりゆっくり更けていく
■9月7日■ 麥可、離台 | |||||
6日間という短い滞在ながらも、台北の街を熱気とコーフンのるつぼに叩き込んだ、マイケルの初来台公演。 数々の思い出を台湾のファンの胸に残して、いよいよ今日、マイケルは "福岡" に向かって飛び立つ予定。 私たちも早起きして、昨日までのいろんな出来事を思い出しながらチェックアウトの準備を始める。 次は福岡! 私たちの乗るチャイナ航空は午後4:30の出発。 マイケルはチャーター便だし、私たちより早く福岡に着いちゃうだろうけど、「でもまた会えるモンね!」 って事で、のんびり荷物を整理する。 |
時刻は、午前10:30。 私たちは、眺めの良い14階の部屋から、最後に台北の街を眺める。この景色も今日で見納めかぁ…。 ちょうど、窓の下にはホテルの裏手にある駐車場出入口が見える。 ん? 見慣れたバンが2台やってきて、そのまま出入口を挟むようにしてスタンバイしている? 「あれって、セキュリティーのバンじゃない?」 何となく気になった私たちは、とりあえず下まで降りて様子を見に行ってみたのでした。 |
離台の時 雑誌カメラマンと |
ホテルの周りは、昨日の夜とは打って変わってファンの姿もまだ見当たらない。 閑散とした中、急いで駐車場に行ってみると… ゲゲッ; 無線を持ったガードマンと報道陣が数人、すでにスタンバイしているっ; 彼らの話では、もうすぐマイケルが出てきて、まっすぐ空港に向かうんだそう。 ガードマンが、車の通路を確保するため出入口に沿って仕切りをいくつも立て始める。 ここでマイケルを見送れるなんて思ってもみなかった私たちは、日本へ向かうマイケルに皆で何か一声かけようと大急ぎで考えるっ。 結局、さりげなく “ニッポン”をアピール出来るってことと、5日にガードマンに渡していた写真のこともあって、「コマンダー・ジャクソン!」 がピッタリだって事に。 少しずつ野次馬やファンが集まり始め、次第に “お見送り”の雰囲気が高まってくる。 ガードマンも10数人が出動し、イヤでもキンチョーしてしまう; 手に汗を握りつつ、待ち続けて約10分後。 いよいよ駐車場の地下の方が騒がしくなり、黒塗りの先導車が1台走ってくるっ! その後ろを追ってガードマンが数人走ってきて… 後に続くのは白塗りのキャデラック! 助手席にはビルの姿! 間違いない、マイケルの車だっ! ホテル地下駐車場のエレベータ前にて 私たちのいる側の窓は少し開いていて、そこからマイケルの手がニョッキリ出て、見送りの人々に向かって手を振ってくれている! きっと、車だけを一瞬にして見送るんだろう…って思っていた私たちは、思いがけない “マイケルの手”に大感激! その手に向かって、約束どおり声を合わせて 「コマンダー・ジャクソーンっ!!」 って叫ぶ! ニッポンでまた会おうね! そんな思いを込めて手を振る。 すると、マイケルはすぐさま “ピースサイン” で応えてくれる! 「コマンダー・ジャクソン」 の呼びかけの意味を、きっと解ってくれたんだっ! 車がファン・野次馬のいる “仕切り”に差しかかった時、マイケルの手は車の中に引っ込み、スーッと窓が閉じる。 黒塗りの窓のむこうは何も見えない。 そして、その手は… まっすぐに "photo book" を指さして、「こっちにちょうだい」 って風に手招きしてるっ!! マイケル、これが 『AS-1』 の photo book だって気がついたんだぁ! 何度も指さし、手招きを繰り返すマイケルの手! でも、私たちのいる “仕切りの外”からは、どんなに手を伸ばしてもあと数10cmのところで届かない! 目の前でマイケルが欲しがってるのに渡せないっっ; 私たちは何をどうしていいか判らず大パニック; 「お願いっ!! 誰か渡して~~!!」 って叫んでみたところで、日本語は通じないっ! マイケルの手にコーフンしたファンが左側から仕切りを越えて殺到し、それを押し留めようとさらにガードマンが割って入る! ものすごい悲鳴!歓声!鳴り響くガードマンの笛の音! あたりはパニック状態でどうすることも出来ない; 結局、オロオロしているうちに信号待ちは解け、photo book を渡すことの出来ないまま、マイケルの車は走り去ってしまったのでした。 ガ――ン。 あまりのショックと情けなさに、私はヒザの力が抜けて、その場にひれ伏してオイオイ泣いてしまったのでした。 バカバカバカッ 大まぬけっ; わんわん泣いている私たちを尻目に、ガードマン達は全員で肩くんで記念写真を撮っている; イギリス人の追っかけの男のコが近寄ってきて、私の頭をなでなでして慰めてくれる。 きっと、同じファンにしかこんな気持ちって解んないに違いない。 渡し損ねた photo book。 台湾6日間での最後の最後にして、私たちにとってはものすごい一大事件が起こってしまったのでした。 「きっと福岡で渡せるチャンスもあるよね」 そう皆で慰め合って、ホテルの部屋へと戻ったのでした。 PM2時ごろ、マイケルよりずっと遅れて私たちはリージェント・ホテルをチェックアウト。 もうすっかり顔馴染みになっていたホテルマンやガードマンと別れを惜しみ、タクシーに乗り込んで空港に向かう。 次は、いよいよ私たちの国、日本! そして、初めての公演地 「福岡」! マイケルはもうそろそろ福岡入りするはず… 私たちが到着する頃には、きっと福岡市内はソーゼンとなっているに違いないっ! いろんな期待や想像に胸をドキドキさせながら、私たちは思い出でいっぱいの 「台湾」 をあとにしたのでした 台北の空港にて 福岡へ向かう直前のマイケル一行
・・・ END ・・・
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